屋内カンナビス栽培のための自動ドリップ灌漑システム構築

31 8月 2021
灌漑システムの準備に必要なすべての情報をご紹介!
31 8月 2021
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屋内カンナビス栽培のための自動ドリップ灌漑システム構築

目次:
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  • 1. 自動灌漑システムはどうやって動作するの?
  • 2. 灌漑システムの構成要素
  • 3. 灌漑オプション
  • 3. a. ドリップリング
  • 3. b. 個別ドリッパー
  • 4. 自動灌漑システムの設置手順
  • 4. a. ドリップリングの設置
  • 4. b. ドリッパーの設置
  • 5. 水量調整
  • 6. 有機栄養のドリップ灌漑
  • 7. 自動カンナビス灌漑faq
  • 8. まとめ

自動灌漑システムと聞くと難しそうに思えるかもしれませんが、実際には特別なスキルは必要なく、屋内でカンナビスを育てる際に時間と労力を大幅に節約できます。もちろん、市販の灌漑システムを購入するのは高価ですが、自作することで簡単かつはるかに安く済みます。自動灌漑システムを使用すれば、機器を手動で操作したり監督したりすることなく、1日に何度も自動で水やりができ、時間と労力の両方を削減できます。自分だけのカンナビス用自動灌漑システムを作る方法を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください!

1. 自動灌漑システムはどうやって動作するの?

自動灌漑システムは、通常はグロウテントの外に設置した大容量の水タンクから構成されており、このタンクの中にはタイマーにつないだ水中ポンプが入っています。ポンプがメインの灌漑チューブを通してグロウテント内に水を送り、そこからカンナビスの各株に分配されます。排水時に各ポットを持ち上げずに済むよう、排水皿をテント外のバケツへつながるように工夫する方もいます。

Automatic Drip Irrigation Setup for Indoor Cannabis Grow: Cannabis plants in pots

自動灌漑システムの一例。
 

これが基本的な自動灌漑システムの仕組みです。もちろん、育成環境や株数、好みによってさまざまな方法がありますが、以下の部品があれば、自作は簡単です。

2. 灌漑システムの構成要素

先述の通り、自動灌漑システムの作り方はさまざまありますが、以下のパーツさえ揃えば、自由にカスタマイズできます。

水リザーバー

水リザーバー(貯水タンク)は自動灌漑システムの中でも最も重要な要素のひとつです。樽やバケツ、浴槽など、きちんと水が入れば何でも大丈夫です。植物の育成にはリザーバー内の水温が16℃(62°F)以上、24℃(75°F)以下が理想とされています。考慮すべきポイントは以下です:

  • リザーバー容量: 120x120cmのグロウテントでは1日最大12リットルの水を使うため、使用日数や株数から逆算して必要量を計算しましょう。3~4日分の水が入るサイズがおすすめです。 
  • 高さ:リザーバーの高さは、ポット上部についているチューブの先端よりも高くするのがコツです。これにより重力作用で水が下方に流れやすくなり、水圧によるトラブルを避けられます。
  • 色:透明や白い容器は極力避けましょう。水や栄養液は太陽光から保護する必要があるため、できるだけ濃い青か黒の容器を使用してください。

水中ポンプ

自動で水やりをするためのポンプは、大きすぎる必要はありませんが、グロウテント内に十分な水圧で水を届け、全株に均等に水が行き渡る出力が必要です。10株以下なら1,100L/h程度のポンプが最小基準です。

10株を超える場合は、1株あたり200L/hを目安に必要な出力を計算しましょう。また、1つのポンプで管理できる目安は8~10株まで。10株以上なら複数のポンプ&灌漑システムに分けたほうが均等な水やりがしやすくなります。

タイマー

多くの栽培者はアナログタイマーを使いますが、アナログだと15分刻みでしかON/OFFが制御できません。細かく水やり間隔を設定するなら、1秒単位で制御できるデジタルタイマーがおすすめです。

Automatic Drip Irrigation Setup for Indoor Cannabis Grow: Necessary materials

自動灌漑システム構築に必要な主な素材。

酸素供給

水や栄養液を酸素で十分に満たすことは非常に重要です。悪性バクテリアの繁殖防止や基質内への酸素供給に役立ちます。120Lまでのリザーバーであれば、通常のエアポンプとエアストーンでOKですが、それ以上は撹拌用ポンプを使うと良いでしょう。酸素をしっかり供給することで有害菌の抑制になるだけでなく、根が必要とする酸素量を不足なく補えます。酸素が足りないと「根腐れ」などでカンナビスが枯れる最大要因となるので要注意です。 

デジタル水温計

水槽用のシンプルなデジタル水温計で、リザーバー内の水温が18~20℃に保たれているか確認します。この温度帯が最もバクテリアの増殖を抑えつつ、溶存酸素を十分に保つのに適しています。

メインウォーターライン

リザーバーからグロウテント、そして植物に水を運ぶメインのチューブです。半剛性で耐久性が高く、入手しやすい黒色のポリチューブが推奨されていますが、基本的にどんなチューブでも構いません。透明なチューブは光と高湿度で藻類が繁殖しやすく詰まりの原因となるため、避けましょう。 

3. 灌漑オプション

必要な器材が揃ったら、あとはどの方法で水やりするか決めましょう。主流となるのは「個別ドリッパー」または「ドリップリング」の2種類です。どちらも一長一短がありますが、ドリップリングは基質全体を均等に潤せる点で優れている一方、設置後は移動できず、最終ポットのみ対応となります。

灌漑方式のメリット・デメリット

灌漑方式 メリット デメリット
ドリップリング 基質全体を均等に潤せる 移動できない
個別ドリッパー 自由に移動できる 基質に乾燥箇所ができることも

一方で個別ドリッパーは柔軟性があり、小さなポットで使いはじめ、植え替え後の大きなポットでも同じものを再利用できます。しかし計画通りに設置しないと乾燥部分ができやすく、チューブ類が増えてテント内がごちゃつきがちです。

ドリップリング

最終ポットでの栽培なら、ドリップリングが最適です。水分を均等に行き渡らせ、手灌水の手間も省けます。設置に必要なものは以下の通りです:

  • 15cmまたは22cmのドリップリング:20Lポット以下なら12cmリングを、20L以上なら22cmリングを選びましょう。
  • 1.2cmチューブ:システムによってほとんどが1.2cmチューブで接続します。必ず購入前にチューブとコネクタのサイズを確認してください。
  • コネクタ:リングとメインウォーターラインをつなぐために必要です。チューブが硬い場合は、先端をお湯で温めると柔らかくなり、取り付けがしやすくなります。
  • ボールバルブ:チューブにつないで個別のリングへ流れる水量を調整できます。個別ドリッパーでは必ずしも必要ありませんが、ドリップリング方式では水量の微調整に必須です。

個別ドリッパー

個別ドリッパーは移動や拡張がしやすい一方、均等な水分供給にはやや劣ります。週1~2回は手灌水が必要になることも。個別ドリッパーには液体肥料を使ったココ培地が最適で、栄養がすぐに吸収可能(バイオアベイラブル)なのがメリットです。ココ培地はどれだけ乾いても即座に水分を吸収し、ピートモスよりも多くの酸素を保持、根域の通気性も抜群なので、過湿で枯らす失敗が圧倒的に減ります。ピート系培地だと乾きすぎた箇所が疎水化(撥水性)しやすいため、個別ドリッパーには向きません。設置に必要なもの:

  • エンドキャップ:メインウォーターラインの最後に装着し、水の流出を防いで各チューブへしっかり分岐させます。
  • 0.6cmチューブ:メインラインから個別植物へ水を届ける細めのチューブ。1株ごとに1~2本使用しますが、お好みによりサイズの変更も可能です。

Automatic Drip Irrigation Setup for Indoor Cannabis Grow: Second set of materials

自動灌漑システムに必要なすべての部品。
 

  • ピアスコネクタ:メインウォーターラインにチューブを簡単に取り付けられるコネクタ。ラインに差し込むだけなので作業性◎。
  • ドリッパー:0.6cmチューブの先端に設置。水を各ポットにまんべんなく分配します。設置は差し込むだけなので非常に簡単です。

4. 自動灌漑システムの設置手順

自動灌漑システムの設置はとても簡単です。必要なのはハサミと、チューブを通すためにリザーバーに穴を開けるドリル(または尖った工具)だけです。

まずリザーバーの側面に、使用するチューブ径に合わせた穴を開けます。穴はリザーバーの上端付近(できるだけ高い位置)がベスト。これで水の流れがスムーズになり、停止時は残水がリザーバー内に戻ります。

Automatic Drip Irrigation Setup for Indoor Cannabis Grow: Reservoir setup infographic

自動灌漑システムの組み立て方。
 

穴が開いたら、リザーバー内に水中ポンプ、エアストーン、水温計を設置し、蓋に計測プローブ、電源コードやエアポンプチューブが通る穴を追加で開けてください。

また、メインウォーターラインが各ポットの上部から入り込むよう、グロウテントにも穴を開けます。テント内にウォーターラインが入ったら、「ドリップリング」か「個別ドリッパー」どちらかを選んで、以下の要領で組み立てましょう。

ドリップリングの設置

初めての方にとっては難しそうですが、実はとてもシンプル。必要な長さを測ってハサミでチューブをカットし、コネクタに差し込むだけでリングが完成します。

Automatic Drip Irrigation Setup for Indoor Cannabis Grow: Drip rings infographic

ドリップリング方式の自動灌漑例。

ドリッパーの設置

ドリッパーを設置する場合は、専用ピアスコネクタでメインウォーターラインに穴を開け、ドリッパーを接続します。空のポットを仮置きして設置場所をイメージするとしやすいです。チューブが長すぎる場合は、ハサミでカットしてから再度設置調整してください。

Automatic Drip Irrigation Setup for Indoor Cannabis Grow: Drip emmiter infographic

ドリッパー式自動灌漑システム例。

5. 水量調整

設置後は、灌漑システムを稼働し各植物への水量を調整します。設置直後にシステムを稼働させ、ボールバルブやドリッパーを閉じた状態でポンプをON。ポンプを起動したら、バルブやドリッパーを少しずつ開けて、水がゆっくり均等に流れる状態に調整します。

育成が始まってからも水やり頻度や量をよく観察し、多すぎ・足りなすぎがあれば調整を繰り返します。全株が同じタイミングで同じ量の排水(ランオフ)が出るようになるのが理想です。

ドリッパーやドリップリングごとで水量が揃ったら、排水量が10%前後になるよう個々の水やりをさらに微調整しましょう。

「栽培環境によってはセルフドレイン水受けトレーを導入すると、灌漑ごとにポットを持ち上げて排水を捨てる手間が省けます。」

1回あたりの水やり時間は株やポット条件で大きく異なるため、トライ&エラーです。目安として、ドリップリングは35秒、個別ドリッパーでは2分ほど注水します。ドライ肥料(有機肥料)をドリップで与える場合は流し過ぎず、ランオフが出るまで注水する必要はありません。

有機栄養の場合、全体を流し抜くのではなく「基質を満遍なく湿らせて給水根に吸収させる」ことが目的です。給水根は表土2インチほどの浅い層に集中しているため、トップドレッシング時は土表面だけに肥料をマッサージするだけでOKです。各株がどれだけ水を吸うかをしっかり把握して、灌漑システムの停止タイミングを設定できるようにしましょう。最初の数日は様子をしっかり観察してください。

6. 有機栄養のドリップ灌漑

ドリップリングが個別ドリッパーより優れている大きな理由のひとつが、有機肥料との相性の良さです。ドリップリングなら培地全体を均一に湿らせることができるため、ドライ肥料をまんべんなく拡散できます。バイオアベイラブル(栄養素の可利用化)には、水が培地全体に行き届くことが必要です。有機肥料使用時は必ずしもランオフが出るまで水やりする必要はありません。給水根が簡単に吸えるよう「基質をしっかり湿らせる」ことに集中しましょう。

7. 自動カンナビス灌漑FAQ

初めて自動ドリップ灌漑に挑戦する方は、そのコストを心配されることが多いですが、高品質な灌漑システムへの投資は長期的に大きな節約になります。特に継続的にカンナビス栽培を考えている場合は尚更です。

自動ドリップ灌漑でなぜ節約できる?

手作業の注水では、多くの水が蒸発などでロスとなります。しかし自動ドリップ方式なら、必要な分だけを植物の根にピンポイントで届けられるため、効率的で全体の水使用量が減り、健康な株が育ちます。

さらに、自動システムを使えば過湿・乾燥トラブルも減り、根腐れのような深刻な問題も回避しやすくなります。必要な水量や頻度を細かくチューニングできる点もメリットです。

自動灌漑システムの主なメリットは?

節水やコストダウン以外にも、自動灌漑システムには様々な利点があります。

  • 利便性:一度セットしてしまえばほぼ放置でOK。毎日の手作業灌水に時間を取られなくなります。数株規模でも手作業はかなり大変です。
  • 成長促進:水を根元に直接与えることで、トータルでの成長も向上。過湿や乾燥も避けやすくなり、成長不良のリスクを抑えます。
  • 害虫抑制:葉を濡らさない灌水なので、害虫やキノコバエ、うどんこ病といった湿度を好む虫や菌の発生を抑制できます。
  • カビ予防:植物の葉を濡らさないためカビのリスクも減少。湿った葉はカビ繁殖に最適な環境ですが、乾燥を保つことで防ぐことができます。

自動ドリップ灌漑システムのデメリットは?

はい、どんなシステムにも短所は付き物です。大きな問題とは言えませんが、導入の際は下記の点にご注意ください。

  • 初期コストとメンテナンスコスト:導入費用のほか、1年ごとにパイプ交換や数年おきの水中ポンプの取り換えが必要です。ただし長期的な節水・節約効果は十分見込めます。
  • 詰まり:自動ドリップ灌漑は詰まりが発生しやすいことも弱点ですが、ネット上にも多数のトラブルシューティング情報があり、さほど大きな問題はありません。仕組みを理解していれば自力解決も可能です。
  • 養分蓄積:根域に栄養塩が過剰に蓄積されると、成長不良や葉焼けにつながるため、定期的なフラッシュ(2週間に1度程度)が必要です。
  • プラスチック劣化:ほとんどが樹脂パーツ製なので、紫外線や高温で劣化しやすい点にも注意。パーツの破損やシステム全体の故障につながることもありますが、多くのメーカーは長期保証を付帯しています。怪しい部品はこまめに点検しましょう。

自動灌漑中、どれくらいの頻度で水やりすればいい?

植物の種類やサイズ、気候、ポンプの出力、栽培媒体などによって大きく変わりますが、1日1~2回、1回あたり50~80秒が一般的です。とはいえ植物の様子(しおれ・葉垂れ等)を見ながら調整してください。こうした症状は過湿/乾燥サインなので、水量を微調整しましょう。基本的には水分が少なめのほうがリカバリーしやすいです。

自動ドリップ灌漑で注意すべき点は?

  • タイマーの正しい設定:タイマー設定ミスが水やりトラブルの主因です。タイマーを正確に合わせないと過湿・乾燥のいずれも問題になります。
  • ドリッパーの動作確認:詰まりや不具合で水が出なくなるケースも。定期的な点検・掃除・交換を必ず行いましょう。
  • 天候・環境の変化:気温や湿度の変化は水需要に影響します。この記事は主に屋内栽培を想定していますが、環境変化で植物の水分要求が変化する点も念頭におきましょう。

8. まとめ

自作の自動灌漑システムは難しそうに思えて、実はシンプルで安価なパーツでも十分作成できます。これさえあれば数日間の旅行や忙しい時でも植物の水やりを自動化でき、手間を大きく省けます。一方、ポットサイズを工夫すれば手灌水も楽になるので、ライフスタイルに合わせて選んでください。どちらにしても、最も大切なのは「自宅で素晴らしい花を育てる楽しみ」を味わうことです。 

屋内で自動灌漑システムを導入されている方は、ぜひコメント欄で他の栽培者へご自身のコツや工夫もお寄せください!

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