大麻栽培でよく見られる害虫
- 1. 大麻に発生する害虫
- 2. アブラムシ
- 3. キノコバエ
- 4. ハモグリムシ(リーフマイナー)
- 5. コナカイガラムシ
- 6. ハダニ
- 7. アザミウマ
- 8. コナジラミ
- 9. アリ
- 10. 広食性ハダニ(ブロードマイト)
- 11. 大麻に使えるオーガニック害虫対策
- 11. a. 大麻栽培に使える安全なオーガニック殺虫剤
- 12. まとめ
大麻の栽培は、必ずしも順風満帆とは限りません。初めてフェミナイズド(feminized)シードをまく前、多くの栽培者は日差しの下で手間なく植物の成長を見守る理想的な光景を想像します。しかし実際には、苗の段階から収穫(harvest)までの間に様々な障害が立ちはだかります。その1つが害虫です。自然界と同じように、大麻にも多くの害虫が襲いかかります。これらの害虫は、状況の深刻さによっては対応が簡単な場合もあれば、ほぼ不可能な場合もあります。大麻の葉、枝、花、さらには根までを餌とする昆虫は多数存在します。なぜなら、これら植物の部位は栄養や糖分、タンパク質が豊富だからです。私たちが「害虫」と呼ぶものも、実はどんな庭にも自然に存在するものなのです。 しかし、大麻への被害を食い止めるためには、適切な対策を取る必要があります。以下の情報は、これら害虫への対処に役立つでしょう。
1. 大麻に発生する害虫
大麻の独特な味わいは人間だけでなく、害虫にも好まれます。残念ながら、これらの害虫が大麻を好むことで植物は非常に短期間でダメージを受ける可能性も。予防が最も重要です。もし害虫の侵入を防げなかった場合、素早く特定・駆除することが肝心です。迅速に対応しなければ、時に取り返しのつかないほどの被害となります。屋内・屋外問わず、以下がよく見られる害虫たちです。どれも早い段階で発見して対処すれば被害は最小限またはゼロですが、長期間放置すると大麻植物を死に至らしめることさえあります。
2. アブラムシ
アブラムシは小さな白い虫で、最も厄介な害虫のひとつです。小さすぎて見逃しやすいことが厄介なポイントです。葉の裏側に潜んで養分を吸い取り、極めて速いスピードで繁殖します。室内の管理された環境では、アブラムシが一気に全体の収穫(crop)を台無しにしてしまうことも。

大麻に集まる害虫の中でも、アブラムシは特に恐れられています。見た目には無害そうでも、すぐに群れとなって植物全体を覆うように増殖します。ダメージは大きく2つ。まず、鋭い口で植物組織を刺し、濃厚な養分の樹液を吸い取ります。吸われた樹液は「ハニーデュー」と呼ばれる泡状の分泌物となって残り、これがすす状のカビ(mold)を引き寄せやすくし、大麻の健康にも悪影響となります。
対処法
最善策は予防です。早期に発見できれば、手でアブラムシを取り除くだけでも大丈夫ですが、数が増えるとより徹底した対策が必要になります。定期的に葉をチェックし、数匹見つけたら手で除去し、ナチュラルな殺虫剤(ニームオイルや他のオーガニック安全な防虫剤)を吹きかけるのがおすすめ。鉢で育てている場合、アブラムシの多い株を離して、他株への蔓延を防ぎましょう。
3. キノコバエ
キノコバエは羽のある黒いアリのような見た目です。成虫は大麻の周りに集まり、幼虫は植物の根に大きなダメージを与えます。最初は植物の根元を食べ、次第に根全体を蝕み、成長や土壌(培地)の排水性にも悪影響を及ぼします。

なお、成虫のキノコバエ自体は大麻にダメージを与えず、単なる迷惑な存在です。しかし、幼虫が大量に発生すると大きな被害となります。この虫は土中で根を食べます。根が水分・空気・栄養を吸収する基盤である以上、ダメージが深刻化すれば深刻な問題へ。放置すれば成長が著しく鈍化し、最終的な収穫(yield)も減少します。
対処法
キノコバエが育つには湿った土が必須です。発生理由の多くは水のやりすぎ。土の表面をしっかり乾かせば自然にいなくなりますが、すでに発生しているなら粘着黄色シートやニームオイル、珪藻土(ダイアトマシャスアース)で駆除しましょう。
4. ハモグリムシ(リーフマイナー)
ハモグリムシはハエ、コガネムシ、ガ等の幼虫で、大麻の葉の内部を移動しながら細胞を傷つけ、養分を奪います。

症状は白色・茶色・黄色の筋状の跡が葉の表に現れるので、比較的見つけやすいです。成虫は羽アリやハエのような見た目で、葉の裏に卵を産み、ふ化後は葉の中を食い進みます。
対処法
ハモグリムシは退治が難しく、葉の内部にいるため殺虫剤が効きません。効果的な対策は被害葉を丸ごと除去することです。全部取りたくない場合は、筋がある部位を指でつぶして幼虫を駆除しましょう。
5. コナカイガラムシ
コナカイガラムシは柔らかい小さな白い虫で、植物の隅や隙間に生息します。数が少ないうちは大きな問題はありませんが、爆発的に増えると深刻な被害となります。

被害が深刻化すると白い玉状のものが葉上に現れます。
対処法
駆除したい場合は簡単です。少数なら手で取り除きましょう。本格的な被害の場合は、ニームオイル、または水で薄めたレモン汁を散布してください。
6. ハダニ
ハダニはダニのような小さな虫で、大麻栽培者の最大の悩みといえます。非常に速いスピードで繁殖し、1週間ほどで成虫となるため、短期間で完全に感染してしまうこともしばしばです。貴重な養分やクロロフィルを吸い取り、放置すると全収穫(crop)を一瞬でダメにしてしまいます。
対処法
ハダニは風と高温が苦手です。温度を調整し、ファンで風を直接当てて、できる限り手で取り除きます。その後はハダニ専用の(できればオーガニックで安全な)殺虫剤で処理しましょう。
7. アザミウマ
アザミウマはとても小さいものの、問題になることがあります。ミミズ状の小さな虫で、年齢によっては羽がある場合もあります。

花自体が主な餌なので、植物は正常な成長ができなくなり、傷口から病気にかかるリスクも高まります。
対処法
他の多くの害虫同様、予防が最良です。数日に一度大麻をチェックして、異常がないか確認しましょう。すでに発生している場合は、水とニームオイルを混ぜてスプレーします。
8. コナジラミ
コナジラミは非常に小さく、羽で飛べるため周辺の植物への感染力も高いです。

葉の裏に集まり、植物組織を食害し、
それがきっかけで病気やカビに感染する傷口も発生します。
対処法
他の害虫同様、まずは清潔な環境を維持し常にこまめな観察を。すでに発生している場合は、水とニンニクを混ぜたものをスプレーすることでコナジラミを遠ざけられます。それでも効果がない場合は、ニームオイルやオーガニック防虫剤など、より強力なスプレーを使いましょう。
9. アリ
アリ自体は大麻に直接的な害はありませんが、他の害虫を餌にしていることが多いので、アリがいる場合は大抵他の害虫発生のサインです。アリを見つけたら、他の害虫も探してください。

また、アリが培地(medium)にトンネルを掘ると根にダメージを与え、水分循環にも悪影響が出ます。
対処法
アリの対策は意外と簡単。まず他の害虫を駆除すれば、自然といなくなります。それでも出る場合は、ニームオイルやナチュラルな殺虫剤を使用してください。
10. 広食性ハダニ(ブロードマイト)
ブロードマイトは肉眼での判別がほぼ不可能なほど微小で、顕微鏡レベルでも見づらいことも。被害の典型は、新芽がねじれたり「濡れた」ように見えること。開花期中に攻撃された場合、つぼみ(bud)は茶色く変色し枯れることも。存在自体を発見するより、残された被害状況で判断するしかありません。症状は過湿、養分不足や熱ダメージとも間違われやすいです。
対処法
ブロードマイトは、もっとも効果的なのは株ごと廃棄することです。どうしても駆除したい場合は、2~3日ごとにニームオイルを5週間以上散布してください。いくら殺虫剤をしっかり使っても完全な根絶は困難なため、被害株は処分が最良です。
11. 大麻に使えるオーガニック害虫対策
害虫発生を未然に防ぐ方法や、実際に被害時の対処法はたくさん存在します。オーガニックな方法は植物への負担も少なく、非オーガニックと比べても品質や収量(yield)への悪影響が少ない点で理想的です。土壌(または他の栽培培地)の質は、病害虫への耐性に直結します。最高の栄養環境を作ることで病害虫を防ぎ、大麻の自然な免疫力も高められます。
また土壌改良剤・添加剤・益虫なども活用可能。これらは害虫問題の予防・治療両面で役立ちます。発生時は、まずできる限り害虫を取り除き、その後で殺虫剤を検討しましょう。屋外に移してホースで水をかけるだけでも数を大きく減らせます。激しい被害の葉や花は思い切って除去してください。
益虫
ここまで退治すべき虫を挙げてきましたが、逆に大麻栽培に役立つ虫もいます。これらは土壌の質を高めるだけでなく、安全かつ自然で化学物質無添加で害虫を捕食してくれるため、有効な防除法です。放す場合は、屋外なら1~2日で逃げてしまうので得策ではありません。室内栽培の場合は事前に冷蔵庫で数時間冷やし、消灯時に植物を湿らせて、餌(駆除したい虫)の付近にリリースすると効果的です。
テントウムシ
Hippodamia convergens(ナナホシテントウ)は、益虫のなかでも代表格。一見可愛らしいですが、実は育てている大麻を守る強力な捕食者。ハダニ、コナカイガラムシ、コナジラミ、アブラムシ、アザミウマ、アリなどを食べてくれるので、やわらかい虫に悩んだらガーデンショップでテントウムシを入手して放しましょう。
クサカゲロウ
クサカゲロウもテントウムシと同等以上の効果を発揮します。幼虫の状態で販売されていることが多く、宅配にも適しています。注意すべきは、アリがクサカゲロウの幼虫を好むため、アリの多い環境や地面近くには放さないこと。
カマキリ
Orius insidiosus(カマキリ)も同様の効果があり、さらに特徴として外部の害虫がいなくなった後、花の内部にも潜って隠れている虫を捕食します。花へのダメージが少し出ることもありますが、虫に侵されたつぼみを残すより遥かにマシです。
線虫(ネマトーダ)
線虫は顕微鏡(またはルーペ)が必要なほど小さい寄生虫の仲間です。種類によっては大麻に被害を与えるものもいるので、選択は慎重に。大麻栽培に有効なのはシュタイナーマ線虫(Steinernema feltiae)。標的となる害虫に感染し、産卵、その幼虫が内部から捕食します。卵の状態(フレークに付着)で最も多く販売されており、必要なタイミングで培地に追加できます。冷凍保存も可能です。他にもミミズ、ヒポアスピス、ハネカクシ、カスミカメムシ、デルファスタスなどもおすすめです。
大麻栽培に使える安全なオーガニック殺虫剤
ニームオイル
ニームオイルはあらゆる作物で使われ、大麻にも非常に使いやすいオーガニック殺虫剤です。害虫のみならずカビや菌類への抑制も同時に狙えます。インド亜大陸やスリランカ産のニームの果実が原料。ほとんどの益虫には悪影響がなく、毒性も極めて低いので、人や動物にも安全(飲むのはNG)。葉面スプレーとして使うのが一般的。原液は強すぎるので薄めてください。混合例:
- 水500ml(普通の水でOK)
- ニームオイル小さじ1(5ml)
- 殺虫用せっけん3~4滴
- 手動ミストスプレー(ホームセンターにあります)
成長2週目から収穫前1週程度まで使用可能。生長期(ベジタティブステージ)は全体に、裏面も念入りにスプレーしてください。開花期は花部には直接かけないよう注意しましょう。ニームオイルを使ったバッズも喫煙はできますが、風味は落ちます。
殺虫せっけん
殺虫せっけんは植物油由来で脂肪酸カリウム塩を含む完全オーガニック製品。接触型で予防には向かず、乾燥すれば効力が落ちます。作用原理は:
- 多くの虫の体を覆うワックス状保護層を溶かし、虫を脱水死させる
- 細胞膜も損傷し、細胞死を引き起こす
- 虫の体表の呼吸孔もふさぐ
- これにより虫は数分で死にます。スプレーボトル入りが多く、全体への直接散布が可能
なお、これは有益な虫も含めて全ての虫を殺してしまう点に注意してください。
スピノサド
スピノサドは、より強力な非オーガニック剤ほどの効力はないものの、その分利点もあります。発酵土壌細菌Actinomycete Saccharopolyspora Spinosa由来で、接触効果型であり、散布後約3時間で駆除効果が現れる殺虫剤です。効果の持続時間は約24時間なので、1回ごとに使い切りましょう。一般的な希釈比率は4リットル(1ガロン)の水に大さじ4(60ml)。

スピノサドは養蜂へ悪影響もあるので、屋外使用時は夜間に散布しましょう。これ以外にも、次のような方法があります。
- 園芸用オイル…植物の防御オイルを精製・濃縮したもの
- BTスプレー…特定のバクテリアが毛虫の幼虫をターゲットにし、成虫には植物摂取を阻害
- 珪藻土…貝殻の化石で、顕微鏡レベルで鋭利。人や動物には無害だが虫には強力な予防手段。植物の根元や侵入経路に振りかけてください。接触した虫の外骨格を傷つけ、脱水死させます。
- 消毒用アルコールと水の混合液…水9:アルコール1で混ぜてスプレー。すぐに揮発するので収穫前日まで使用可。
12. まとめ
害虫やバグの被害は大きさに比例しません。あらゆる害虫対策は予防が肝心です。植物を毎日チェックし、早期に対応しましょう。たった5日放置すると回復可能か枯死かの分かれ道になることもあります。できるだけ自然・オーガニック農薬の使用を強くおすすめします。
コメント